2012年5月31日木曜日

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常に赤ちゃんを抱いて歩き回る新米ママには腰痛がつきものである。 米国整形外科学会(AAOS)は、育児中の腰痛を防ぐために以下のことを勧めている: ・出産したら、できるだけ早く運動を始める。 ・産後6週間以内に妊娠前の体重に戻すよう努める。 ・乳児を抱き上げるときは、体をひねらず、体の近くで乳児を抱え上げ、膝(ひざ)を曲げてしゃがみ、脚から立ち上がる。 ・移動には前抱きの抱っこひも(front ...

オレンジやその他の柑橘(かんきつ)類の果実の摂取が脳卒中リスクの低減に有用である可能性が、新しい研究で示唆された。米国立衛生研究所(NIH)の資金援助を受けて実施された今回の研究は、柑橘類の果実に含まれるフラバノンflavanoneと呼ばれる色素成分(天然化合物)に着目したもの。フラバノンは、脳卒中リスクの低下と関連付けられている植物性フラボノイドの一種で、脳卒中に関係する血管機能の改善や炎症を軽減する可能性があるという。 ...

顔面挙上(リフト)術を受けた人は術前に比べて平均7歳若く見えることが、新しい小規模研究で示された。ただし、今回の研究知見に対してはいくつか注意すべき点がある。被験者のほとんどが中年または高齢の女性であったこと、若く見えるようになったことが患者のかもし出す雰囲気(mood)などの要因にとって代わる手術の直接的な成果を証明するものでないこと、さらに全ての手術が1人の外科医により施行されたことなどである。 ...

心筋梗塞を発症する女性5人のうち2人には胸痛がなく、顎、頸部、肩または背中の痛みや胃部不快感、急な呼吸困難などのわかりにくい症状がみられることが、新しい研究により報告された。このことが、女性の心筋梗塞による死亡リスクが高い理由の1つであることも示された。 研究の筆頭著者である米ワトソンWatsonクリニック(フロリダ州)心血管予防・研究・教育部門長のJohn Canto氏によると、心筋梗塞の顕著な症状は胸部の痛みと不快感だが、女性は発作の現れ方が異なることが多いという。実際は胸部の痛みや不快感のある人のほとんどは心筋梗塞ではないが、特に心疾患の危険因子(リスクファクター)のある人は男女ともに症状に注意する必要があると同氏は述べている。今回の研究は、米国医師会誌「JAMA」2月22/29日号に掲載された。 ...

2012年5月19日土曜日

沸騰する人たち、煮えたぎるモンスターたち、



■会津若松母親首切り殺害事件■

■事件の経緯

事件日=殺害日=2007年5月15日午前1時30分頃
出頭日=2007年5月15日午前7時頃
犯人=少年B(当時17歳高校3年生)=栗田恭平(当時17歳)
鮮明写真=「栗田恭平、母親首切り」google画像検索で見れる
母親=栗田はるみ(47歳)

2007年5月15日午前7時ごろ福島県会津若松市の会津若松署で同市の県立高校3年(17歳)が「母親を殺害しました」と言って自首する。

少年は切断された女性の頭部を通学用の黒い布製ショルダーバッグに入れて持ってきていた。その際応対した女性警官は生首と目が合い卒倒して医務室に運び込まれたという。

署員が少年の自宅アパートに駆けつけたところ、布団の上で母親(47歳)が頭部を切断されて死んでおり、同署は少年を殺人容疑で緊急逮捕する。
5月16日、殺人と死体損壊の疑いで少年を送検した。

少年は5月15日午前1時30分ごろ寝ている母親を包丁で刺し、
のこぎりで首を切断した。また、
右腕も肩付近からのこぎりで切断した。

その後、インターネットカフェで夜を明かす。そこでは米人気アーティストビースティ・ボーイズのDVDを見ている。
その後、6時20分ごろ携帯電話でタクシーを予約し、
6時50分ごろタクシーに乗って警察署に乗りつけた。
タクシーの後部座席にもバッグからもれたと思われる血が付着していた。

自首した際には少年は、返り血と見られる血が付いた服を着ていた。
遺体の首と頭には包丁で刺された傷が複数あり、
手には抵抗した際に出来たと思われる無数の傷があった。

アパートの遺体の側には、血まみれの包丁とのこぎりが残されていた。
のこぎりは数日前に市内のホームセンターで買ったものだという。

少年は中学校時代、野球部のエースを務め、スキーのジャンプもうまく、何事にも一生懸命な優等生であった。

だが、高校に入り長髪にし、爪も伸ばすようになった。周りにうまく溶け込めず、一人でいる事を好み、友達も少なかった。
生徒は高校2年の9月頃から風邪や頭痛を理由に不登校気味であった。
3年になってからは5日間登校しただけで、
4月13日を最後に登校していなかった。

★2007/5月1日には市内の病院に行き、精神的に不安定になっていると診断されていた。

少年の実家は福島県大沼郡金山町で、
約60キロ離れた会津若松市の高校に通うためアパートを借りていた。
弟と一緒に住んでいたが、
弟は別の部屋にいて気づかなかったという。母親は保育士で大沼郡内に勤務していた。
14日は午後6時過ぎに仕事を終え、アパートを訪れていた。
15日は母親の47歳の誕生日だった。

動機について生徒は
「誰でもいいから殺そうと考えていた」
「戦争やテロが起きないかなと思っていた」と供述している。

★★★★★★★

17歳の高校生・栗田恭介が、自分の母親・はるみさん(47)を、殺害、頭部をきりとり、その頭部を持参して警察署に自首した事件。

栗田恭平は、金山第一中学時代にはスキー部の選手。福島県中学校体育大会スキー競技大会のジャンプで4位入賞。県内でも有数の受験高校である、大沼郡内の高校に進学。

母親のはるみさんは、恭平が通っていた金山第一中学のそばにある金山町立川口保育所で臨時雇いの保育士をしていた。

一方、ネットでは、少年かもしれない人物が犯行後に携帯SNSで日記を書いていた、とする報道があったり、顔写真を掲載する夕刊紙もあった。

犯行から1時間後の5月15日午前2時半ごろ、携帯電話向け SNSに、「最期の日記」というタイトルの日記が掲載された。
「ボクは犯してはならない罪を犯しました」という書き出しで、残りは1問1答形式。「動機は?」という問いには「理由ですか?ただ何となく」と答え、経緯については

「あえて挙げるなら自己実現」
と説明、さらに

「(後悔は)今はありません。ほっとしています。でも後々悔やむことになるでしょうけれど」
とも書き、取り調べに対して反省の様子を見せていない、という点とも符合する。
さらに、「この後どうする?」という問いには
「罪を与えてもらいに行きます」と、自首を示唆する回答をしている。
この日記は5月16日午後になって、SNSの運営会社が削除したという。

■栗田恭平の写真■
一方、東京スポーツは、5月17日、少年の顔写真をモザイク入りで掲載している。少年が中学生だった03年に撮影されたとされ、
詰め襟の学ラン姿だ。同紙では、少年のことを

「クッキリしたまゆ毛、通った鼻筋、意志の強そうな目が特徴」
と紹介、「写真からは悩みの影も見られない」としている。

■切断の右手に細工の可能性■ 
<指で輪の形>

2012年5月17日木曜日

ニキビ|レーザー治療専門の美容皮膚科シロノクリニック


ニキビの直接的な原因は、皮脂の過剰分泌と毛穴のつまりです。皮脂過剰を引き起こす原因や毛穴づまりのメカニズムを理解しておくことが大切です。日々のメンテナンス、スキンケア、治療方法をトータル的にご提案し、確実な解消を目指します。

【Hanako:N°995】2011年5月12日
「自分に合ったフェイシャルサロン探し。」にて、横浜院 三宅真紀院長がクリスタルピーリング、ニキビ撃退点滴についてお答えしました。
【Spring 6月号】2011年4月23日
「毛穴&大人ニキビ対策」にて、フラクセル2、カーボンピーリングをご紹介いただきました。

ニキビは皮膚疾患のひとつで、医学的には座瘡(ざそう)といいます。そのメカニズムは、皮脂の分泌量が多く皮脂が排出しきれずに毛穴に詰まり、皮脂と不要な角質が混ざり合って角栓(かくせん)化します。
そこにニキビ菌などの常在菌が繁殖するため、炎症を引き起こしてニキビができます。原因として、ストレスやホルモンバランスの乱れによる皮脂の分泌過剰、生活習慣、睡眠不足、化粧品の使用などがあり、それらが複雑にからみあってニキビができます。
ニキビでも20代以降に出てくる、いわゆる難治性の大人ニキビは、様々な方法を組み合わせて治療を行います。

思春期ニキビ
思春期はホルモンの分泌が盛んになり、過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まり、皮膚常在菌のアクネ桿菌(アクネかんきん/プロピオニイバクテリウム・アクネス)が繁殖します。 皮脂の分泌量が特に多いTゾーン(額から鼻にかけてT字に形どられた部分)に症状がでやすいのが特徴です。
大人ニキビ

大人ニキビは、体内に蓄積された負担が肌の新陳代謝にまで影響しているのが原因です。
乾燥、睡眠不足や偏った食生活による生活習慣の乱れ、ストレスによるホルモンバランスの崩れなど、さまざまな要因が複雑に絡み合ってできます。
季節に関係なく一年中でき、口周りやあごにかけてのフェイスラインに症状がでやすく、治りにくいのが特徴です。

白ニキビ

白ニキビは、閉鎖面皰(へいさめんほう)とも呼ばれています。蓄積された古い角質が毛穴に詰まり、皮脂がスムーズに排泄されず、毛穴が徐々に大きくなって皮膚が膨らんでいる状態をいいます。
膿(うみ)が白く透けて見えることから白ニキビと呼ばれています。直径が1~3ミリ程度で初期段階のニキビといわれ、まだ炎症を起こしていないため、刺激しないようにすることが大切です。

黒ニキビ

黒ニキビは開鎖面皰(かいさめんほう)と呼ばれ、白ニキビとは逆に毛穴が開き、皮脂が空気に触れて酸化した黒くなった状態をいいます。
主に鼻や鼻の脇にみられ、白ニキビ同様、炎症は起こしていないので早めのケアが大切です。

赤ニキビ

赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビのケアを怠った結果、アクネ桿菌や表皮ブドウ球菌が毛穴で繁殖することによって、皮膚の中のたんぱく質を刺激し、炎症を起こして悪化した状態をいいます。
炎症が起こると白血球がニキビ菌を攻撃するため、周囲の組織が傷つけられ、凸凹や赤み、色素沈着などのニキビ跡へ繋がってしまいます。

2012年5月15日火曜日

膝痛改善は腰を伸ばそう!|自分でらくらく膝痛改善トレーニング


右ひざの前十字靱帯を断裂した大学3年の
M子さん。歩きのブレは左右だけでなく、
前後にも跛行して相談に来ましたが、

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ケガする前よりも良い身体ができそうな気がする!!
オペ前から当施設に通いたい!
オペ後も早い段階で機能改善したい!
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という前向きな気持ちに変えた方法にもなった
体幹のストレッチングの方法をお伝えします。

その前に

■なぜ、この方法が効果的なのか?

歩き動作で身体が横にブレなくなるので
膝に左右方向の不規則なストレスが激減します。

最初の片脚立ちのチェックでは
頭の位置が20センチ近くヨコブレあり。
腰まで痛くならないのが不思議なくらいです。

■そのためには?

2012年5月14日月曜日

前立腺がん手術体験記


前立腺がん手術体験記

前立腺がん関連ーその2ー

 (Medical Tribuneなどから)
(2005年1月~12月)


前立腺癌の検出に新たな方法 遺伝子再配列の同定可能に[2005年12月15日 (VOL.38 NO.50) ]

  独自の検出方法を利用した新研究により,前立腺癌の発生と進行に関与する遺伝子再配列の同定が可能になった。ミシガン大学(ミシガン州アナーバー)病理学のArul Chinnaiyan博士らは,ユーイング肉腫(比較的まれな骨腫瘍)における発癌遺伝子再配列に関連付けられていた 2 つの遺伝子ETV1とERGが,前立腺癌における重要な発癌遺伝子であるとScience(2005; 310: 644-648)に発表した。詳細な分析により,これら遺伝子再配列がどのような機序で発癌性の原因になるのかが示されている。

 上皮細胞由来癌で初めて説明
 今回の研究は,体腔の内層である上皮細胞に由来する癌において,遺伝子の非無作為再発性の遺伝子再配列が発生することを初めて証明した。これまで同再配列は,白血病,リンパ腫,軟組織肉腫にのみ発生すると考えられていた。遺伝子断片がDNAのある部分から別の部分に移動する遺伝子再配列は,転座と呼ばれており,おそらく遺伝子発現(遺伝子のスイッチがオンあるいはオフ)に影響する。遺伝子転座は遺伝子発現に劇的な影響を与える。転座の有名な例としては,BCR遺伝子とABL遺伝子の融合がある。BCR-ABL融合遺伝子は,慢性骨髄性白血病の発症原因となる。これまで前立腺癌などの上皮癌では,このような遺伝子変異は知られていなかった。この研究のプログラム責任者でテキサ� �大学保健科学センター(テキサス州サンアントニオ)のJacob Kagan博士は「前立腺癌における遺伝子変異の研究は難しい。そのため,再発性の非無作為遺伝子再配列を明確に同定することができなかった。今回の知見は,同様の機序が乳癌,肺癌,結腸癌など他の上皮癌にも関与している可能性を示唆する重要なものである」と述べている。

 逸脱した遺伝子を探す
 Chinnaiyan博士らは,マイクロアレイのデータセットを分析して,前立腺癌細胞の変異遺伝子を探索した。マイクロアレイ分析は,細胞内の全遺伝子発現を同時に測定する方法である。大量のマイクロアレイデータを調べるために,同博士らは癌に関連するおもな過剰発現遺伝子を選別する「癌はずれ値特性分析(COPA)」と呼ばれる革新的な段階的方法を開発した。COPAは大量のマイクロアレイデータを取り込み,はずれ値つ� ��り前立腺癌組織中で発現する通常の遺伝子プロフィールに比べてかなり逸脱した遺伝子を探す。COPAデータを用いて,研究者は 2 つの融合遺伝子,TMPRSS2-ERGとTMPRSS2-ETV1を同定した。これら遺伝子は,前立腺と特異的に関連するTMPRSS2遺伝子がそれぞれERGあるいはETV1遺伝子に融合することにより形成された。

 他の癌研究にも有望
 NCIの癌バイオマーカー研究プログラムの責任者で,早期検出研究ネットワーク(EDRN)の所長でもあるSudhir Srivastava博士は「前立腺癌中に融合遺伝子が発見されたことは,癌の検査と早期検出,分子標的の開発に新しい未研究分野を創出した。この種の研究は,EDRNの革新的かつ先見性のある研究の実例である」と述べている。過去の症例221例(腫瘍167例と良性前立腺組織54例の標本)を分析したCOPAから,ERGまたはETV1が腫瘍標本167例中95例(57%)で過剰発現していたが,良性前立腺組織ではいずれも過剰発現していなかった。ミシガン大学の研究室で前立腺癌組織22例の標本を調査したところ,20例(91%)がERGあるいはETV1の過剰発現とTMPRSS2遺伝子との融合を示しており,ERGあるいはETV1がTMPRSS2遺伝子と並ぶことにより,これら遺伝子配列が過剰発現することが示唆された。筆頭研究者でEDRNの主任研究員でもあるChinnaiyan博士は「今回の発見は前立腺 癌の疾患過程の理解と,その過程を停止させる治療法の開発に重要な関係があるかもしれない」と述べている。これらの発見は,上皮腫瘍における非無作為再発性遺伝子再配列が他の癌研究の発展にもつながる可能性を初めて証明した。しかし,実際の検出技術や治療法を開発する前に,より多くの組織についてこれらの結果を確認しなければならない。


前立腺癌密封小線源療法で治癒率向上 [2005年12月15日 (VOL.38 NO.50) ]

  Ray Harvey氏(42歳)は,前立腺癌の家族歴があったとはいえ,悪性前立腺癌と診断されたときは,やはりショックだった。定期健康診断で前立腺癌スクリーニングを受け,癌であることがわかった同氏は「父も祖父も前立腺癌だったので覚悟はしていたが,60歳くらいで発症するものだと思っていた」と語っている。幸い,現在では治療の進歩と高感度の画像化技術のお陰で,同氏のような癌でも90%が治癒する。

 照射線量を抑制できる
 Harvey氏の治療を担当したミシガン大学総合癌センターとプロビデンス病院Assarian癌センター(ともにアナーバー)放射線腫瘍学のPatrick W. McLaughlin臨床教授は「現在では優れた治療法があり,早期発見・早期治療により90%の患者が治癒する。次の目標は90%の患者を副作用や長期合併症なしに治療することだ」と述べている。Harvey氏は集中治療の 1 つである密封小線源療法を選択した。同療法では前立腺内に高線量の放射線を放出する極小ビーズを埋め込み,癌細胞を死滅させる。McLaughlin教授は「前立腺内にこのビーズを埋め込めば,癌細胞には高線量を照射でき,前立腺の周囲組織には,ほとんど放射線が及ぶことなく治療できる。そのため,癌を治療し,かつ照射線量を抑えるという目標を同時に達成できる」としている。ビーズの埋め込みは静注用の針と同等の細針で,超音波とX線ガイド下で埋め込み位置を特定しながら行う。埋め込み後,MRIやCTスキャンにより,前立腺と近傍の正常組織への照射線量をミリ単位で確認できる。

 前立腺底の視覚化が鍵
 McLaughlin教授は「ここ数年で治療後のQOLを大きく改善できるようになった背景には,画像技術の進歩がある。� ��なる組織を差別化して,照射線量を制限できるようになった。われわれの調査と客観解析が示すように,(放射線照射による)随伴症状と長期の機能変化との間には明白な相関が認められる」と述べている。Harvey氏の治療には,McLaughlin教授らが開発した最新画像技術により,放射線療法をより良好に施行できる方法が用いられた。前立腺底をより鮮明に同定することで,勃起機能をつかさどる血管への放射線照射を回避できる。同教授は,この血管束温存放射線療法を,前立腺全摘術において神経束温存法が進歩し,術後の性機能を維持できるようになったことになぞらえている。

 正確な埋め込みでQOL改善
 前立腺癌と診断された患者が直面するジレンマの 1 つに,数ある治療法のなかからどれを選択するかがある。これまでの研究では,生存面での恩恵はいずれの治療法でも大差がなく,ほとんどの患者は副作用を考慮したうえで治療法を選択している。McLaughlin教授は「現在のところ,手術,外照射放射線,密封小線源療法のいずれにも副作用は伴う。しかし,長期の副作用はいずれの治療法でも劇的に改善されてきた。前立腺下の組織に放射線を照射すれば長期的な問題が発生しうることは,かなり以前からわかっていた。こうした組織への照射を回避・低減する研究が開始されてから,副作用と長期の影響を劇的に改善できるようになってきている。おそらく,これが前立腺癌治療における最も有望な進歩だろう」と述べている。治療直後,Harvey氏は若干の不安を感じていたが,現在では前 立腺癌の治療を受けたことすら忘れるほどになったと説明。「治療前とほとんど変わらない。排尿も,性交も,歩いたり話したりするのも,以前と同じようにできる。尿失禁もないし,すべてが以前と同じだ。時々,体の動かし方によっては,ビーズが入っているんだな,そこに何かされたんだなという感じはある。治療を受けたのを思い出すのは,そのときくらいだ」と述べている。米国癌協会(ACS)によると,米国で2005年に前立腺癌と診断される患者は約23万2,000人で,そのうち約 3 万人が癌死すると見込まれている。死亡を回避するには早期発見が必須である。McLaughlin教授は「放射線科医として,よく『癌はなおるものですか』との質問を受けるが,前立腺癌に関しては,面と向かって治ると断言できる。その鍵はスクリーニングの在り方で,それにより,以前よりも前立腺癌を早期に発見できるようになった。さらに,最新治療により早期癌の90%が治癒している」と述べている。

 リスク別の検診で早期発見を
 現在では,リスク別のスクリーニング勧奨がなされている。例えばあるガイドラインは,アフリカ系米国人のスクリーニングは早期に行うべきとしており,Harvey氏もこれに従い早期診断を受けた。スクリーニング方法には直腸指診や,血液検査による前立腺特異抗原(PSA)の測定がある。PSA は前立腺癌が存在するとしばしば血中濃度が上昇する蛋白質マーカーである。1 年ごとのスクリーニングを開始する年齢は,以下のようにリスク別の勧奨がなされている。
(1)平均的なリスクの男性:50歳
(2)アフリカ系米国人:45歳
(3)第 1 親族(父親,兄弟,息子)が前立腺癌である男性:45歳
(4)第 1 親族内に 2 人以上の前立腺癌患者がいる男性:40歳


高再発リスク前立腺癌の生化学的再発抑制に放射線療法が有効[2005年12月15日 (VOL.38 NO.50) ]

  テキサス大学保健科学センター(テキサス州サンアントニオ)放射線腫瘍学・泌尿器科学のGregorySwanson准教授らは,前立腺癌手術後の再発リスクが高い患者にアジュバント放射線療法を施行し生化学的再発率を50%低下できたと米国治療放射線・腫瘍学会(ASTRO)第47回年次集会の基調講演で報告した。

 他の生存率は有意差ない

 Swanson准教授らは,前立腺癌手術後の病理所見で被膜外浸潤,断端陽性,精�浸潤のいずれか,もしくは複合を確認した425例を,手術後16週間以内に60~64Gyの放射線療法を行う群と観察群とにランダム化割り付けした。10年間のフォローアップ後の転移なし生存率(主要エンドポイント)は,放射線療法群が71%,観察群が63%で,有意差は認められなかった。また,全生存率にも両群間で有意差は� ��かった(74%対66%,P=0.16)。しかし,10年後の生化学的再発なし生存〔前立腺特異抗原(PSA)値0.4ng/mL未満を維持と定義〕に関しては,観察群では210例(26%)であったのに対し,放射線療法群では214例(52%)と,有意(P<0.001)に改善された。さらに,生化学的再発までの期間の中央値は,放射線療法により3.1年から10.3年に延長された。治療期間中の尿路機能障害と軟便の発生は,放射線療法群で有意に悪化したが,5 年後のQOLに両群間で有意差は認められなかった。また,今回の検討では,放射線療法の施行でアンドロゲン除去療法が不要になった例もあり,適用患者においても施行を2.5年遅らせることができた。
 同准教授は「進行前立腺癌の再発リスク低下にアジュバント療法が有効であることが確認されたのは,今回の研究が初めてで,今のところ唯一である。放射線療法は前立腺癌の標準治療として検討されるべきである」と結論。さらに「今回の研究は1980年代に計画されたもので,同様の患者に現在適用されている約70Gyよりも放射線量が低い。現在のように線量を70Gyにしたり,放射線と化学療法を併用していたら,放射線療法の有効性をさらに高めることができたはずである」と述べた。
 ASTROの評議委員長でミシガン大学(ミシガン� ��アナーバー)放射線腫瘍学のTheodore Lawrence博士は,報道陣に対して「今後の臨床の在り方を大きく変える所見である。放射線療法は進行前立腺癌に有効なのか否かがこれまで議論されてきたが,今回,Swanson准教授らの研究と,同様の結果が得られた欧州からのもう 1 つの知見がそれに答を出した」とコメントした。


~前立腺癌再発マーカー~PSA値が今なお最も有用[2005年11月24日 (VOL.38 NO.47)]

 前立腺特異抗原(PSA)の血中濃度による前立腺癌リスクの予測精度を疑う声が最近聞かれるが,ジョンズホプキンス大学(ボルティモア)Brady泌尿器科学研究所臨床講師のStephen J. Freedland博士らは,前立腺癌により根治的前立腺摘除術を受けた患者2,000例以上の解析の結果,術後の癌再発を最も的確に予測できたのはPSAであったと,Journal of Urology(2005; 174: 1276-1281)に発表した。

 前立腺の健康状態の指標に
 今回の研究では,前立腺の摘出前に高PSA値であった男性は,進展度,摘出組織における癌の異型度,前立腺外への癌細胞浸潤率のいずれも有意に高いことが確認された。さらに,術後のPSA上昇は,術前PSAが低い男性でも術後の癌再発リスクの増大と有意に相関していた。Freedland博士は「今回の知見は,前立腺摘出前のPSA値が術後の癌再発リスクと有意に相関していることを示しており,現行の前立腺癌マーカーのなかでは,今もなおPSAが最も有用であるという考えを支持するもので,PSAが現在も十分に通用することを明確に示している」と述べている。PSAは前立腺細胞で産生される蛋白質で,癌の存在によりその値は上昇する可能性がある。したがって,PSA値が高いほど, 前立腺癌に罹患している可能性も高くなる。また,一般的にPSA値が高いほど,悪性の癌の存在をより強く示している。同博士は「PSA値は,特定の時期の患者の前立腺の状態を医師に知らせる指標であるため完ぺきとは言い難いが,これまでに見出されたマーカーのなかでは最も優れている」と指摘。「これまでPSA値は,スクリーニングツールとして望ましいものを提供するだけでなく,進行癌を早期に発見し,転移の危険を減らすことができた」と付け加えている。

 PSA上昇速度はさらに精度が高い
 今回の研究では,1992~2004年に同大学で前立腺摘除術を受けた患者2,312例のカルテを解析。術前PSA値と術後の癌再発リスクとの相関を検討した。手術はすべて同大学泌尿器科学のPatrick C. Walsh教授が執刀した。平均 5 年間のフォローアップ期間に,211例で癌再発の徴候が認められ,術前PSA値が高い患者ほど,術後の癌再発リスクは有意に高かった。PSA値が10~19.9ng/mLの患者では,10ng/mL未満の患者と比べて術後の癌再発リスクは 3 倍以上,20ng/mL以上の患者では 5 倍以上であった。術後のPSA上昇は,PSA値が10ng/mL未満の患者でも術後の癌再発リスクと有意に相関しており,術後にPSA値が 2 ポイント上昇するごとに癌再発リスクは約 2 倍に増大した。Freedland博士は「今回の研究も含めたこれまでの研究から,PSAの 1 回の測定値は前立腺癌手術後の癌進行リスクの予測因子として非常に有用であることが明らかとなった。また,経時的なPSA上昇速度のほうが,単一の測定値よりもさらに有用であるようだ」と述べている。


前立腺癌へのアンドロゲン抑制療法有効性とリスクの慎重な評価を[2005年11月17日 (VOL.38 NO.46)]

 米国立癌研究所(NCI)癌研究センター内科腫瘍学臨床研究部門のNima Sharifi博士らは,前立腺癌に対するアンドロゲン抑制療法(ADT)の恩恵とリスクについて,これまでの文献を再検討し,ADT施行が非常に適した患者と,そうでない患者がいることをJAMA(2005; 294: 238-244)に発表した。また,ADTが妥当でないにもかかわらず,施行されている患者がいる現状を指摘。ADTの有害作用の検討をさらに進めるべきであると結論している。

 恩恵は進行癌と限局癌で異なる
 進行前立腺癌や高リスクの限局性前立腺癌に対する姑息的治療としてのADTの有効性は確立されており,多くの患者に適用されている。しかし,QOLは改善しても,生存面での恩恵は明らかでない。また,限局癌に対する放射線療法を受けた高リスク患者では,ADTが生存期間を延長しうることが示されている。しかし,Sharifi博士は「そのほかの症例では,多くのリスクとQOLに対する有害性と照らし合わせたうえで,恩恵を慎重に検討する必要がある。しかし,現在こうした検討がきちんとなされているとは言えない」と指摘。「� ��移のない限局癌の治療後に前立腺特異抗原(PSA)値が上昇した患者には,しばしばADTが施行されるが,こうした治療戦略の恩恵は明らかではない」と述べている。ADTによる有害事象には,性欲減退,インポテンス,顔面潮紅,骨量減少症による骨折リスクの増大,代謝機能の変化(心血管疾患リスクの増大を含む),認知機能や気分の変化などが挙げられる。総じて,他の原因によるテストステロン欠乏症にしばしば似ており,顔面潮紅や性的障害など,患者のQOLに深刻な影響を及ぼすものもある。重要なのは,有害事象のなかには骨量減少症など予防できるものも存在することである。

 手術か薬剤かを比較
 Sharifi博士らは,薬剤もしくは手術によるアンドロゲン除去の相対的な恩恵に関しても言及している。手術は単純 で安全性も高いが,患者に大きな心理的影響を与えると強調。薬剤に関しては,ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)作動薬やGnRH拮抗薬の相対的な恩恵に言及した後で,こうした化学的な去勢では現在,目標血清テストステロン値が50ng/dL未満に設定されていることが多いが,精巣摘除術を受けた場合に達成される20ng/dL未満に変更すべきとする専門医もいることを指摘している。進行前立腺癌に対するADTの恩恵について,同博士らは,手術によるか薬剤によるかを問わず,骨痛,病理学的骨折,脊髄圧迫,尿管閉塞を減少させ,QOLを大きく改善すると結論。しかし,長期の生存予後が改善されるか否かは不明であるとしている。生化学的再発(限局癌の治療後にPSA値の連続上昇が認められるが,X線所見による転移が確認されない状態)患者� �対するADT施行については賛否両論があり,さらなる研究を要する。これに関して,同博士らは「早期ADTの施行が生存予後改善に与える影響は進行癌においても明確ではなく,ほとんどの生化学的再発患者にADTを施行すべき絶対的根拠はないと言える。しかし,早期のアジュバントADTが,局所進行癌もしくは高グレード癌患者の生存予後改善,さらに高グレード癌もしくは悪性度の高い癌の転移遅延に有効であることが示唆されており,これらのサブグループが生化学的に再発した場合には,ADTの適用は有益と考えられる」と述べている。

 有害事象への対応を議論
 ADTによる有害事象は重要な問題で,今回の検討でも詳細に論じられている。
 顔面潮紅に関してはmegestrolによる治療が考えられ,既に 1 件のランダム化二重盲検プラセボ対照試験で同薬が有効であることが示されている。しかし,ADTとmegestrol投与を併用するとPSA値が上昇し,megestrolの中止で低下することが確認されている。ADT施行患者の顔面潮紅に対して,抗うつ薬の使用を検討した小規模パイロット研究があるが,Sharifi博士らによると,同様の目的の大規模プラセボ対照試験はないという。ADTによる骨量減少は大きな問題である。GnRH作動薬で治療中の転移のない前立腺癌患者を対象として,pamidronateの有効性を検討するランダム化試験が 1 件,マサチューセッツ総合病院(ボストン)のMatthew R. Smith博士らにより実施されており,pamidronateは骨密度(BMD)低下の予防に有効であることが確認されたとする研究結果がNew England Journal ofMedicine(2001; 345: 948-955)に発表されている。また,同様に同博士らによる転移のない前立腺癌患者を対象とした多施設二重盲検試験において,zoledronic acidの有効性が確認されたとJournal of Urology(2003; 169: 2008-2012)に発表された。さらに,同薬はモントリオール大学Centre Hospitalier(カナダ・モントリオール)のFred Saad博士らによるアンドロゲン非依存性の転移前立腺癌患者を対象としたランダム化プラセボ対照試験でも有効性が確認され,Journal of the National CancerInstitute(2002; 94: 1458-1468)に発表されている。 骨粗鬆症リスクはADT施行前に評価されるべきである。危険因子としては,骨粗鬆症の家族歴,低体重,骨折の既往,飲酒過多,喫煙,糖質コルチコイドの使用,ビタミンDの低値,関連する共存疾患が挙げられる。また,施行開始前にBMDを測定すべきである。ADT開始後は全例にカルシウムとビタミンDのサプリメントを投与し,喫煙と過度の飲酒を節制させる。Sharifi博士は「ADT施行患者へのビスホスホネートのルーチン投与は,骨粗鬆症が確認されるか,骨転移を伴うアンドロゲン非依存性の前立腺癌以外では推奨されない」と述べている。ADT施行後の勃起不全は重大なQOL上の問題である。同博士らは,陰茎プロステーシスや,陰圧式勃起補助具,陰茎海綿体へのプロスタグランジン注射などの可能性に言及し� ��いる。

 評価の定まっていない項目も
 ADT施行後の代謝機能の変化に関して,Sharifi博士らは,body mass index(BMI),総コレステロール,トリグリセライドの上昇,および体脂肪の増加と除脂肪体重の減少などが挙げられるとし,いくつかの研究において,HDLコレステロール値,空腹時血糖値,HbA1c値の上昇が示唆されていることを指摘。これらは比較試験に基づく知見ではないが,生理的変化の観察研究結果と一致しているという。同博士は「体脂肪とコレステロールの上昇,impaired glucose tolerance(IGT)が同時に存在すれば,いわゆるメタボリックシンドロームということになる。転移を伴う前立腺癌はADT適用の正当な理由となるが,それ以外の病態で年齢が中央値で70歳の患者群には,心血管危険因子の増大を慎重に査定すべきであると思われる。特に,生化学的再発患者の生存に対する恩恵は明らかでない」と述べている。ADTが関与する認知機能と気分の変化に関しては,研究結果は一貫性に欠け見解が一致していない。ADTの施行後に多くの男性で正球性正色素性貧血が起こっている。そのほかの重要な有害事象としては,女性化乳房,ドライアイ,体毛減少,めまいが挙げられる。現時点で評価の定まっていないものとしては,以下のものがある。(1)抗アンドロゲン療法と手術,薬物療法の併用:併用療法で死亡例を 1 例減らすのに必要な治療必要数(NNT)は20~100例と見積もられており,治療費も膨大である(2)間欠的アンドロゲン抑制療法:現在,いくつかの試験が進行中であるが,前向きランダム化試験のデータは得られていない(3)非ステロイド系薬によるアンドロゲン抑制の単剤療法:米国臨床腫瘍学会(ASCO)はADTの代替療法として検討すべきとしているが,ステロイド系の抗アンドロゲン療法は単独施行されるべきではない


前立腺癌への照射は標準線量より高線量を再発リスクをより低減[2005年11月17日 (VOL.38 NO.46) ]

  ハーバード大学およびマサチューセッツ総合病院(ともにボストン)放射線腫瘍科のAnthony L. Zietman教授らは,限局性前立腺癌に対する外照射放射線療法(EBRT)では,標準線量を照射するよりも高線量を照射したほうが癌再発の傾向が低いとJAMA(2005; 294: 1233-1239)に発表した。

 CTにより照射部位を正確に特定
 現在,米国では前立腺癌患者の過半数が限局癌のうちに診断を受け,治療法の 1 つであるEBRTは年間 2 万6,000例以上に施行されている。しかし,標準線量のEBRTが奏効せずに,前立腺特異抗原(PSA)値が上昇し,二次治療を必要としたり,臨床的再発に至る症例は多い。限局癌は照射量を増やすことで管理しやすくなるが,腫瘍周囲の正常組織の損傷を防がなければ有害事象の発生率も増大する。1990年代にCTスキャンにより放射線照射部位をより正確に特定し,高線量を照射できる方法が数多く実用化された。こうした技術は" 3 次元原体照射療法"(3D-CRT)と総称されており,種類として陽子ビーム,conformal光子ビーム,強度変調光子ビームなどがある。Zietman教授らは今回,低リスク癌の患者を含め,こうした高線量照射により前立腺腫瘍のコントロールを改善できるか否かを検討した。1996年 1 月~99年12月に,T1b~T2b期の前立腺癌でPSA値15ng/mL未満の患者393例を,総線量70.2Gy(標準線量)もしくは79.2Gy(高線量)のEBRTのいずれかにランダム化割り付けした。PSAの中央値は6.3ng/mLで,フォローアップ期間の中央値は5.5年であった。照射法はconformal光子ビームと陽子ビームが併用された。その結果,治療 5 年後の生化学的再発(PSA値の上昇)なし患者の割合は,標準線量群が61.4%であったのに対し,高線量群では80.4%と治療非奏効リスクが49%減少した。こうした高線量照射の恩恵は,低リスクと高リスク患者のいずれの亜群でも認められた(リスク低減率はそれぞれ51%,44%)。治療群間で総生存率に有意差は認められなかった。放射線療法腫瘍学グループ(RTOG)基準のグレード 3 以上の急性尿路・直腸合併症の発生率は,標準線量群が 1 %,高線量群が 2 %といずれも低く,現在までの同グレード 3 以上の晩期尿路・直腸合併症の発生率も,標準線量群が 2 %,高線量群が 1 %と低かった。同教授は「今回のランダム化試験では,臨床的に限局性の前立腺癌患者に対するEBRTは,標準線量よりも高線量を照射するほうが,5 年後以降のPSA値上昇,局所持続性病変率は低いことがわかった」と述べている。

 生存アウトカムへの恩恵は不明
 ジョンズホプキンス大学(メリーランド州ボルティモア)のTheodore L. DeWeese,Danny Y. Songの両博士は同誌の付随論評(2005; 294: 1274-1276)で,今回の試験と前立腺癌治療における放射線量について「Zietman教授らの研究は,臨床的に限局性の前立腺癌に対して,現在では高線量照射を安全に施行できることを確認した。高線量照射と癌の良好な生化学的管理との相関が認められたわけだ。しかし,こうしたPSA管理の改善が,生存期間の延長などの臨床的に重要なエンドポイントを意味するのか否かはまだ明らかではなく,今回の研究は究極の恩恵が不明瞭なままで,軽度であれ線量増加がもたらす実際的なリスクの増大を患者は受け入れるべきなのかという重要な問には答えていない」とコメントしている。またDeWeese博士らは,ほかにも未解決の問題として,79Gyを超える線量照射で恩恵はさらに高まるのか,どのような線量漸増法が最適なのか,さらに前立腺癌に対し� ��放射線療法にアンドロゲン抑制療法を追加した場合,患者によっては生存率が改善されることが最近示されたが,線量増加は放射線療法のアウトカム改善策としてそうした併用療法よりも優れるのかも今後の検討課題として挙げている。同博士らは「今回のランダム化試験データは低リスクの前立腺癌患者にも高線量を照射することを支持しており,今後の研究を進めるうえでの重要な基礎を築いたと言える」と結んでいる。今回の試験は米国立癌研究所(NCI)の助成を受けた。


早期前立腺癌に一時刺入小線源療法単独施行で他の治療に匹敵する効果[2005年11月17日 (VOL.38 NO.46)]

  テキサス工科大学(テキサス州ルーバック)内科のRufus Mark臨床助教授らは「早期前立腺癌に対する高線量率の一時刺入小線源療法は,他の治療法と同等に有効であることが示唆された」と米国治療放射線・腫瘍学会(ASTRO)の第47回年次集会で報告した。

2012年5月12日土曜日

社会福祉: デンマークのうちがわ


長いことブログの更新が滞っていて、情けない思いに駆られていた。書きたかったテーマがようやく固まって、ネタも集まったのでこの辺りで更新したい。

9月の政権交代を経てからも期待されたほど大きな動きはないが、主張の大きく異なる政党から構成された連立政権で、意見の一致を見るのに苦労している様子が浮き彫りになってきている。

ギリシャ・スペインを初めとするヨーロッパ各国で、深刻な財政難からの国政運営が困難を極めるなか、デンマークでは比較的「緩やかな不景気」が続いている。2011年12月現在の完全失業率は、6.1%(季節調整値)。失業者数は16万500人となっている。

デンマーク統計局のデータによると、今日のデンマークの稼動年齢層のうちの約22%、785,000人� ��公的な経済援助を受けて生活している。失業者、疾病休業給付受給者、障害者、早期退職者、生活保護受給者といった人たちである。このなかには、まったく就労していない者だけではなく、公的な給与補助を受けながら障害や病気の負担にならない程度で労働に従事している者も含まれている。さらに、公共からの経済的な支援で生活している学生や年金生活者を含めれば、成人の半数以上が何らかの社会保障給付によって生活をしていることになる。デンマークの国から1銭ももらわずに、貧乏に潔く生きている私はそんなに少数派だったのか...

2012年5月11日金曜日

オカマイシン(エリスロマイシン)3% 30g(Okamycin Cream (Erythromycin/Zinc Sulphate) - 3%/2.5% (30g Tube))


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「同一成分含有商品」

2012年5月9日水曜日

レーザー瘢痕除去:それは役立つことができますか?何がリスクがありますか? -


レーザーの傷の除去は、 – あなたのための右ですか?

ここでは、情報を上で見つけることが:

  • 何を瘢痕原因は何ですか?
  • レーザー瘢痕除去の応用
  • 手順
  • 傷の除去用レーザーの種類
  • 合併症とリスク
  • コスト

レーザー傷の除去はレーザー技術の他の一般的な使用方法です。レーザー治療は50〜80%で傷跡の外観を低減し、再発を防ぐことができます。

何を瘢痕の原因は?

プロセスが炎症で始まる創傷治癒には、組織の形成に進行すると、特定の要因を変更すると終了解剖学 – コラーゲン、皮膚、骨、軟骨、血管をサポートして結合組織に見られる主なタンパク質のような。

瘢痕は、創傷治癒のプロセスが大きすぎる、または小さすぎるコラーゲンなどの特定の要因によって中断されたときに発生します。たとえば、ケロイド瘢痕は、コラーゲンの質量である。

レーザー傷跡除去の応用

今日のレーザー瘢痕除去方法を含む傷のいくつかの種類の外観を減らすことができます:

2012年5月7日月曜日

二次性高血圧 - goo ヘルスケア


二次性高血圧とはどんな病気か

 何らかの特定される原因があって高血圧を示す状態を二次性高血圧と呼びます。原因にもよりますが、治せる高血圧ということもできます。症状は無症状のものから、その原因に起因した特徴的なものまでさまざまです。検査の手順、診断、さらに治療方法に関してもそれぞれの疾患に応じて行われます。
 以下、頻度の高い二次性高血圧について具体的に概説します(表3)。

●腎実質性高血圧(じんじっしつせいこうけつあつ)

原因は何か

 二次性高血圧のなかでは最も頻度の高いもので、全高血圧の2〜5%を占めます。腎臓病、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)などの基礎疾患をもとに腎障害を示している病態で、腎臓実質(腎血管以外の腎臓)の障害による糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)、慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)、腎硬化症(じんこうかしょう)、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)により、高血圧になります。腎臓実質の障害から高血圧に至る正確な機序(仕組み)は不明です。

症状の現れ方

 高血圧による特徴的な症状はなく、原疾患による症状が前面に現れます。

検査と診断

 血液検査に加え、糸球体濾過値(しきゅうたいろかち)測定やシンチグラフィ、レノグラム、腹部CT、MRIなどの画像検査による腎機能の評価は重要です。鑑別診断のために、組織の一部を採取して顕微鏡で調べる腎生検も行われます。

治療の方法

 現在のところ、慢性腎疾患の発症を予測し、予防することは難しい状況です。したがって、透析が必要になる末期腎不全(じんふぜん)への移行を防ぐうえで、血圧のコントロールは非常に重要です。これら原疾患としての腎臓病の治療に関しては、それぞれの項目の治療欄を参考にしてください。
 降圧目標は13085mmHg未満とし、1日の尿蛋白排泄量が1g以上の高度な尿蛋白があるものでは、腎機能に注意しながら12575mmHg未満にコントロールすることが推奨されています。

2012年5月6日日曜日

心不全: 心不全および心筋症: メルクマニュアル18版 日本語版


(小児の心不全については,先天性心血管異常: 心不全を参照 。)

心不全は心室機能不全症候群である。左室不全では息切れおよび疲労が生じ,右室不全では末梢および腹部の体液貯留が生じる;通常,両心室がある程度関連する。診断は臨床的に行われ,胸部X線および心エコー検査により裏づけられる。治療には,利尿薬,ACE阻害薬,β遮断薬,および基礎疾患の修正がある。

米国では約500万人が心不全(HF)に罹患しており,毎年50万人を超える新規症例が認められる。

生理

心収縮性(収縮力および収縮速度),心室機能,および心筋O2要求量は,前負荷,後負荷,基質の供給量(例,O2 ,脂肪酸,ブドウ糖),心拍数および調律,ならびに生存心筋量によって決まる。心拍出量(CO)は1回拍出量と心拍数の積に等しい;COはまた,静脈還流量,末梢血管緊張度,および神経液性因子の影響を受ける。

前負荷は,収縮期直前である弛緩相(拡張期)終期に,心臓にかかる負荷条件である。前負荷は拡張終期心筋線維伸展の程度および拡張終期容量を表し,これは心室拡張期圧および心筋壁組成の影響を受ける。典型的には,左室(LV)拡張終期圧は,特に正常値を超えていれば,前負荷の妥当な指標である。左室拡張,肥大,および心筋伸展性の変化(コンプライアンス)は前負荷に影響する。

後負荷は収縮期開始時に心筋線維収縮に抵抗する力である;これは大動脈弁開口時の室圧,容量,および壁厚により決まる。臨床的には,大動脈弁開口時または直後の全身血圧は最大収縮期壁応力を表し,後負荷にほぼ等しい。

フランク-スターリングの法則は前負荷と心機能との関係を表す。正常では収縮期収縮機能(1回拍出量またはCOによって表される)は標準的な生理範囲内の前負荷に比例することを,この法則は説明している(心不全および心筋症: フランク-スターリングの法則。図 1: を参照) 収縮性は,心臓カテーテル法を用いなければ測定困難であるが駆出率(EF)にある程度反映され,これは収縮毎に駆出される拡張終期容量のパーセンテージ(左室1回拍出量/拡張終期容量)である。

心予備能とは,情動ストレスや身体的ストレスに反応して安静時の水準を超えて心機能を上昇させる能力である;最大労作中に,身体のO2消費量は250mL/分から1500mL/分以上に増加しうる。その機序には,心拍数,収縮期容量,拡張期容量,1回拍出量,および組織O2抽出量(動脈血と混合静脈血または肺動脈血とのO2含量較差)の増加がある。 十分に鍛えられた若年成人では,心拍数は安静時の55〜70/分から最大運動時には180拍/分まで増加し,COは6L/分から25L/分以上に増加する。安静時には,動脈血は約18mL/dLのO2を含み,混合静脈血または肺動脈血は約14mL/dLのO2を含む。したがって,O2抽出量は約4.0mL/dLであるが,需要が増加すると抽出量は12〜14mL/dLまで増加しうる。これらの機序は心不全の代償にも役立つ。

病態生理

心不全では,心臓が代謝要求に適う量の血液を組織に供給できないことがあり,心臓との関連で上昇した肺または全身の静脈圧が臓器うっ血をもたらすことがある。この状態は,収縮機能,拡張機能,または一般的には両機能の異常に起因しうる。

収縮機能不全では,心室収縮不良や心室駆出不十分がまず拡張期容量および拡張期圧の上昇をもたらす。その後,EFが低下する。エネルギー利用,エネルギー供給,電気生理学的機能,および収縮要素の相互作用に様々な欠陥が生じるが,これは細胞内Ca調節やサイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)産生の異常に伴うものである。心筋梗塞による心不全では,顕著な収縮機能不全が一般的にみられる。収縮機能不全は主に左室または右室(RV)に生じる;左室不全はしばしば右室不全につながる。

拡張機能不全では心室の充満が障害され,心室拡張終期容量の減少,拡張終期圧の増加,または両方が生じる。収縮性,ひいてはEFは正常に保たれる;充満不良の左室において,駆出が完全に近く,COが維持されれば,EFは増加することもある。左室充満の著しい低下は低COおよび全身症状をもたらす。左房圧の上昇は肺うっ血を惹起しうる。拡張機能不全は通常,心室弛緩の障害(能動的な過程),心室スティッフネスの増加,収縮性心膜炎,または房室弁狭窄から生じる。充満抵抗は加齢とともに上昇するが,これは恐らく心筋細胞の喪失および間質性コラーゲン沈着の増加を反映している;したがって,拡張機能不全は特に高齢者で一般的にみられる。肥大型心筋症,心室肥大を伴う障害(例,高血圧,重度の大動脈弁狭窄),お� ��びアミロイドの心筋浸潤では,拡張機能不全が優勢であると考えられる。もし右室圧が著明に上昇して心室中隔が左側へ移動すれば,左室の充満および機能も障害されうる。

左室不全 ではCOは減少し,肺静脈圧は上昇する。肺毛細血管圧が血漿蛋白コロイド浸透圧(約24mmHg)を超えると,体液が毛細血管から間質および肺胞へと漏出し,肺コンプライアンスが減少し,呼吸仕事量が増加する。リンパドレナージは増加するが,胸水の増加は代償されない。肺胞への著明な液貯留(肺水腫)により,換気-血流比(肺胞換気量[V]/肺血流量[Q])が著しく変化する:非酸素化肺動脈血は換気の低下した肺胞を通過し,全身動脈血の酸素化(PaO2)が低下して呼吸困難が生じる。 しかしながら,呼吸困難はV/Q異常に先立って起こることがあり,恐らくは肺静脈圧の上昇および呼吸仕事量の増加が原因であるが,その正確な機序は不明である。重度または慢性の左室不全では,胸水はまず右胸郭内に,その後両側に貯留することを特徴とし,呼吸困難をさらに悪化させる。分時換気量は増加する;そのため,PaCO2が低下し,血液pHが上昇する(呼吸性アルカローシス)。細気管支の著明な間質性浮腫は換気を妨げ,PaCO2を上昇させることがある(呼吸不全切迫の徴候)。

右室不全 では全身静脈圧が上昇し,主に荷重のかかる組織(歩行可能な患者の足や足首)や腹腔内臓器に体液が滲出して浮腫が起こる。肝臓が最も影響を受けるが,胃や腸もうっ血する;腹膜腔の液貯留(腹水)が起こることがある。右室不全は一般に,中等度の肝機能不全を引き起こし,通常,抱合型および非抱合型ビリルビンの軽度上昇,プロトロンビン時間(PT)の軽度延長,および肝酵素(例,アルカリホスファターゼ,AST,ALT)の軽度上昇を伴う。肝障害によりアルドステロン分解能が低下し,体液貯留をさらに亢進させる。臓器における慢性静脈うっ血は,食欲不振,吸収不良および蛋白漏出性腸症(下痢および著明な低アルブミン血症を特徴とする),消化管の慢性失血,そしてまれに腸管の虚血性梗塞を引き起こす可能性がある。

心臓の反応: 心室機能が障害されると,COを維持するためにより大きな前負荷が必要となる。結果として,左室は徐々にリモデリングされる:左室は卵形から球形となり,拡張し,肥大する。初期には代償性であるが,これらの変化は最終的に拡張期スティッフネスおよび壁張力を増強させ,これにより特に身体的ストレスがかかったときに心機能が低下する。壁応力の上昇により,O2要求量が増大し,心筋細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)が加速する。

血行動態の反応: COが低下した状況では,組織へのO2運搬は,O2抽出量を増加させることや,ときに酸化ヘモグロビン解離曲線を右側へ移行させてO2放出を促進することにより維持される(肺機能検査: 酸化ヘモグロビン解離曲線。を参照 図 4: )。

全身血圧の低下を伴うCOの減少は動脈の圧反射を活性化させ,これにより交感神経系の緊張が亢進し副交感神経系の興奮が抑制される。結果として,心拍数および心筋収縮力は増加し,特定の血管床の細動脈は収縮して,静脈収縮が起こり,Naおよび水分が保持される;心不全の初期には,このような変化が心室機能低下を代償し,血行動態の恒常性を維持するのに役立つ。しかしながら,これらの代償性変化は,心仕事量,前負荷,および後負荷の増大,冠灌流および腎灌流の減少,体液貯留によるうっ血,K排泄亢進,心筋壊死,ならびに不整脈をもたらす。

腎臓の反応: 心機能が悪化すると,腎血流および糸球体濾過率(GFR)は低下し,腎臓内の血流は再分布される。濾過率およびNa濾過は低下するが,尿細管再吸収が増大してNaおよび水分は保持される。血流は労作時にさらに再分布されて腎臓に送られなくなるが,安静時には改善して恐らくは夜間頻尿の原因となる。

腎灌流の減少(および恐らく心室機能低下に続く収縮期の動脈伸展の減弱も)はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を活性化させ(動脈高血圧: レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系も参照 ),Naおよび水分の保持が増加し,腎臓や末梢の血管緊張が亢進する。これらの作用は心不全に伴う強度の交感神経賦活により増強される。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン-バソプレシン(抗利尿ホルモン[ADH])系は,悪影響を及ぼしうる一連の反応をもたらす。アンジオテンシンⅡは,腎輸出血管を含む血管の収縮を引き起こしアルドステロン産生を増強することで心不全を悪化させ,これは遠位ネフロンにおけるNa再吸収を亢進させるだけでなく心筋および血管のコラーゲン沈着および線維化も惹起する。アンジオテンシンⅡはノルエピネフリン放出を促進し,ADH放出を刺激して,アポトーシスを誘発する。アンジオテンシンⅡは血管および心筋の肥大に関与することがあり,そのため心臓および末梢血管構造のリモデリングが生じ,場合によっては心不全が悪化する。アルドステロンは,心臓および血管構造においてアンジオテンシンⅡに非依存的に合成され(� �らく,コルチコトルピン,一酸化窒素,フリーラジカル,および他の刺激が介在する),これらの臓器に悪影響を及ぼすことがある。

神経体液性反応: ストレス条件下では,神経体液性反応は心機能の向上および血圧や臓器灌流の維持に役立つが,これらの反応の慢性的な活性化は,心筋刺激ホルモンと血管収縮ホルモン,および心筋弛緩ホルモンと血管拡張ホルモンとの正常なバランスに悪影響を及ぼす。

2012年5月4日金曜日

摂食障害|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省


摂食障害とは

疾患概念

単なる食欲や食行動の異常ではなく、1)体重に対する過度のこだわりがあること、 2)自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する、といった心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です。摂食障害は大きく分けて、神経性食欲不振症(AN;神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)と神経性過食症(BN;神経性大食症)に分類されます。ANには不食を徹底する「制限型」、あるいはむちゃ食いをともなってもそれに対する排出行為で代償しながら低体重を維持している「むちゃ食い/排出型」があります。一方、BNにはむちゃ食いを繰り返しながらも体重増加を防ぐために種々の不適切な代償行為をともなっていますが、ANと違ってやせに至らないことが特徴です。そのどちらにも明確に分類されない摂食障害(例:むちゃ食い障害)は、特定不能の摂食障害(EDNOS)と呼ばれています。世界保健機関(World Health Organization:WHO)が策定するICD-10診断基準では、摂食障害は「生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群」のひとつに分類されており、身体的要因と精神的要因が相互に密接に関連して形成された食行動の異常と考えられます。

歴史

歴史的にみると、ANについて初めて医学的記載がなされたのは、1600年代後半です。神経性消耗"a Nervous Consumption"としての記述が見られますが、病名にANという名称が初めて用いられたのは、1873年にパリ・ピティエ病院のLasegue 医師とロンドン・ガイ病院医師のGull卿によってです。それまで古代~中世の西欧においては、キリスト教文化圏の中で食事の制限(断食)は自己犠牲や身体的欲求の抑制といった「禁欲主義的理想」として捉えられていました。文献によると聖人(シスター)の中に禁欲生活を送り、厳格な食事制限から命を落としたケースの記述も認められますので、これらのケースは身体像に密接に関係した[自己の理想像の追求]という点ではANの概念に一致するといえるでしょう。又時にほかのシスターによって目撃された"むちゃ食い"は、当時は「悪魔の仕業」としてとらえられていました。従って、過食症状の記述は散見されるものの明確な疾病概念としてはとらえられていませんでした。
1970年代に入り、英国のRussellはANの種々の類型を報告した中で、本症の中心的精神病理の変化を反映した一群の症例を報告しました。それは、1)繰り返される過食、2)嘔吐もしくは下剤の乱用、3)肥満に対する病的恐怖の三つによって特徴付けられるANの予後不良型に位置づけられるものです。これにより、それまで曖昧であったBNの明確な疾患概念へと発展し、アメリカ精神医学会の診断マニュアルであるDSMに取り入れられました。
ここで問題となるのは、このように西欧を中心に展開されてきた摂食障害に対する概念が、わが国の患者像にそのまま当てはまるかということです。わが国ならびに香港における質問紙調査によると、制限型のAN患者においては"やせ願望"や"体重や体形への不満"は健常人と程度に差がなく、西欧とは異なっています。果たして、DSMを中心とする操作的診断基準によって「摂食障害」とされている疾患概念は、単一の疾患単位として当てはめることができるのか。これは今後の課題です。


患者数

1998年に全国の医療施設(23,401施設)を対象に実施した疫学調査(図1)によると、患者推定数(罹患率)はANが12,500(人口10万対10.0)、BNが6,500(人口10万対5.2)、EDNOSが4,200(人口10万対3.3)でした。

【図1.摂食障害患者数の変化】

これを1980年以降の結果と比較すると、以下の状況が認められます。

  • 摂食障害全体は1980年からの20年間に約10倍の増加がみられ、とくに1990年代後半の5年間だけで、ANは4倍、BNは4.7倍と急増している。医療機関をすすんで訪れるのは一部であるため、実際はもっと多いと推定される。
  • 同時に行った病型についての調査では、ANが47.0%、BNが39.7%、EDNOSが12.3%であり、それ以前に比べて過食型の摂食障害の増加が特徴的である。
  • 年齢層でみると、ANは10代、BNは20代が多く、推定発症年齢をみると10代の占める割合が年々増加し、若年発症の傾向を示している。すでに10歳から発症する例もまれではなくなった。
  • 男女比は1対20であった。一般に90%以上が女性と報告されている。

一方、欧米の最近の報告では、ANの有病率(一生にかかる率)は女性0.9~2.2%、男性0.2~0.3%です。診断基準を広く適応させた例も含めると、この2倍にまで増えるであろうと推定されています。ただし、欧米の報告ではわが国より早く1980年代から増加し、1990年代にピークに達しているようです。従って、わが国では1980年代に欧米に比して約半分の発症頻度であったのが、20年間で倍近くに増加し、欧米と肩を並べるかやや多くなっているとも考えらます。
BNの有病率に関しては、欧米の報告によると女性1.5~2%、男性0.5%であり、10代女性の有病率は0.3%と少なく、20代から増加します。これはANの動態と異なります。発症頻度に関する地域差をオランダで調べた報告によると、田舎に比して都会では2.5倍、大都市は5倍高いという結果でした。また、時代的変遷を調査した報告では、英国および米国は共に1980年代から2000年にかけて発症頻度は4.2%から1.5%前後に減少しているとされ、発症のピークは1990年代前半であり、その後は減少傾向にあると推定されています。
EDNOSについては、ポルトガルで行った12~23歳女性の有病率調査では2.4%と報告され、摂食障害全例の77%を占めています。13~15歳の思春期女子では4.9%、男子では0.6%でした。EDNOSの中でも、むちゃ食い障害の生涯有病率は米国の調査によると成人女性が3.5%、成人男性が2.0%でした。
以上、わが国における摂食障害の発症頻度は1990年代後半から急激に増加し、欧米並みになってきた印象ですが、ここ10年間のきちんとした全国的な疫学調査がなされていないため、正確な実態のための調査が待たれます。


原因・発症の要因

摂食障害の発症には、社会・文化的要因、心理的要因、また生物学的要因が複雑に関与しており、以下に説明するように、遺伝子-環境因子の相互作用による多因子疾患と考えられています(表1)。

【表1】

社会・文化的要因

前記したように、摂食障害の心理的特徴の中核として、体重や体形へのこだわりや体形への不満があることを述べました。その点、近年のわが国における患者数増加の背景には「やせを礼賛し、肥満を蔑視する」西欧化した現代社会の影響がうかがわれます。つまり、スリムをもてはやす社会、文化の影響です。
わが国では、20代女性の平均体重は毎年低くなり、標準体重の-10%の一歩手前まできています。マスコミや雑誌などでは、スリムになるための広告を毎日のように目にします。個々人の病因は異なっていても、全体として考えると、昨今の摂食障害の増加には、こうした社会的影響も否定できません。

2012年5月3日木曜日

日本小児心身医学会


東日本大震災から1年。当学会の学術集会は今回で30回目。会員数も1000人を突破。そんな中で、縁あって今回の学術集会をお世話させていただくことになりました。私ができることは、今生で感じていることを、会員の皆さんに伝えられるようなプログラムを組み、参加しやすい場を提供すること。そして参加者の皆さんそれぞれが演題や会場での議論・交流を通して情報を発信し、何かをつかんでいただけることを期待しております。

第30回日本小児心身医学会学術集会
会長 井口敏之
星ヶ丘マタニティ病院副院長、小児科部長

テーマ 「子どもの心身症は予防できるか~周産期からの支援を通して~」
日 時 2012年9月7日(金)~9日(日)
場 所 名古屋国際会議場白鳥ホール
〒456-0036 名古屋市熱田区熱田西町1番1号
会 長 井口 敏之(星ヶ丘マタニティ病院小児科)
内 容
  • メインテーマシンポジウム:「子どもの心身症は予防できるか~周産期からの支援を通して~」(座長:宮本信也、井口敏之)(9月8日(土)午後予定)

    宮本信也先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    吉田敬子先生(九州大学病院子どものこころの診療部)
    小川園子先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻)
    藤田一郎先生(佐賀大学文化教育学部) 

    *宮本先生からは子どもの心と脳の発達をおさえたうえでの心身症の成り立ちの基本を学びます。吉田先生からは、産後うつ病を中心とし、周産期から親子に関わることでどんな支援ができるか、どんな変化が起こるのかがお聞きできると思います。小川先生からは動物実験から性ホルモンと養育行動・子どもの行動変容と具体的なお話が聞け、とても楽しみです。藤田先生からは親子の関係性障害による心身症の予防と早期対応としての実践的な子育てプログラム、トリプルPについてのお話が伺えます。

  • 30回記念特別講演:(9月7日(金)予定)

    杉山登志郎先生(浜松医科大学児童青年期精神医学講座)

    *いつも先駆けとなって児童精神の研究をして見える杉山先生には今までの30年を振り返り、これから10年のポイントをお話しいただきたいと思います。

2012年5月1日火曜日

ポストナタール儀礼


それは、3日目は私の娘のアラナを出産した後です。スリングにまで隠れて、アンダー目袋スーツケースのサイズは私の新生児では、私が夕食のために取得するかと思っスーパーマーケットで午前。遠く離れた{に[マレーシア] }(父の国)、また、ちょうど出産を与えている私のいとこは、、彼女のお母さん、彼女の義母と二人の姉妹によって引き継がfussedされて楽しんでいます。

によって"オーバーfussed、"私は毎日のマッサージ(形状におなかのバックをもたらすために特別な出生後のラップを)意味する、すべての食事は、家事との彼女のプラスのヘルプは調理や手の半ダースのペアについて支援する 彼女は"残りを持っている"ことができるように赤ちゃんの世話を。これはすべてのために、与えるか、または40日間、取る。