2012年5月12日土曜日

社会福祉: デンマークのうちがわ


長いことブログの更新が滞っていて、情けない思いに駆られていた。書きたかったテーマがようやく固まって、ネタも集まったのでこの辺りで更新したい。

9月の政権交代を経てからも期待されたほど大きな動きはないが、主張の大きく異なる政党から構成された連立政権で、意見の一致を見るのに苦労している様子が浮き彫りになってきている。

ギリシャ・スペインを初めとするヨーロッパ各国で、深刻な財政難からの国政運営が困難を極めるなか、デンマークでは比較的「緩やかな不景気」が続いている。2011年12月現在の完全失業率は、6.1%(季節調整値)。失業者数は16万500人となっている。

デンマーク統計局のデータによると、今日のデンマークの稼動年齢層のうちの約22%、785,000人� ��公的な経済援助を受けて生活している。失業者、疾病休業給付受給者、障害者、早期退職者、生活保護受給者といった人たちである。このなかには、まったく就労していない者だけではなく、公的な給与補助を受けながら障害や病気の負担にならない程度で労働に従事している者も含まれている。さらに、公共からの経済的な支援で生活している学生や年金生活者を含めれば、成人の半数以上が何らかの社会保障給付によって生活をしていることになる。デンマークの国から1銭ももらわずに、貧乏に潔く生きている私はそんなに少数派だったのか...

2012年5月11日金曜日

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「有効成分」

エリスロマイシン(Erythromycin)

硫酸亜鉛(Zinc Sulphate)

 

「同一成分含有商品」

2012年5月9日水曜日

レーザー瘢痕除去:それは役立つことができますか?何がリスクがありますか? -


レーザーの傷の除去は、 – あなたのための右ですか?

ここでは、情報を上で見つけることが:

  • 何を瘢痕原因は何ですか?
  • レーザー瘢痕除去の応用
  • 手順
  • 傷の除去用レーザーの種類
  • 合併症とリスク
  • コスト

レーザー傷の除去はレーザー技術の他の一般的な使用方法です。レーザー治療は50〜80%で傷跡の外観を低減し、再発を防ぐことができます。

何を瘢痕の原因は?

プロセスが炎症で始まる創傷治癒には、組織の形成に進行すると、特定の要因を変更すると終了解剖学 – コラーゲン、皮膚、骨、軟骨、血管をサポートして結合組織に見られる主なタンパク質のような。

瘢痕は、創傷治癒のプロセスが大きすぎる、または小さすぎるコラーゲンなどの特定の要因によって中断されたときに発生します。たとえば、ケロイド瘢痕は、コラーゲンの質量である。

レーザー傷跡除去の応用

今日のレーザー瘢痕除去方法を含む傷のいくつかの種類の外観を減らすことができます:

2012年5月7日月曜日

二次性高血圧 - goo ヘルスケア


二次性高血圧とはどんな病気か

 何らかの特定される原因があって高血圧を示す状態を二次性高血圧と呼びます。原因にもよりますが、治せる高血圧ということもできます。症状は無症状のものから、その原因に起因した特徴的なものまでさまざまです。検査の手順、診断、さらに治療方法に関してもそれぞれの疾患に応じて行われます。
 以下、頻度の高い二次性高血圧について具体的に概説します(表3)。

●腎実質性高血圧(じんじっしつせいこうけつあつ)

原因は何か

 二次性高血圧のなかでは最も頻度の高いもので、全高血圧の2〜5%を占めます。腎臓病、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)などの基礎疾患をもとに腎障害を示している病態で、腎臓実質(腎血管以外の腎臓)の障害による糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)、慢性糸球体腎炎(まんせいしきゅうたいじんえん)、腎硬化症(じんこうかしょう)、多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)により、高血圧になります。腎臓実質の障害から高血圧に至る正確な機序(仕組み)は不明です。

症状の現れ方

 高血圧による特徴的な症状はなく、原疾患による症状が前面に現れます。

検査と診断

 血液検査に加え、糸球体濾過値(しきゅうたいろかち)測定やシンチグラフィ、レノグラム、腹部CT、MRIなどの画像検査による腎機能の評価は重要です。鑑別診断のために、組織の一部を採取して顕微鏡で調べる腎生検も行われます。

治療の方法

 現在のところ、慢性腎疾患の発症を予測し、予防することは難しい状況です。したがって、透析が必要になる末期腎不全(じんふぜん)への移行を防ぐうえで、血圧のコントロールは非常に重要です。これら原疾患としての腎臓病の治療に関しては、それぞれの項目の治療欄を参考にしてください。
 降圧目標は13085mmHg未満とし、1日の尿蛋白排泄量が1g以上の高度な尿蛋白があるものでは、腎機能に注意しながら12575mmHg未満にコントロールすることが推奨されています。

2012年5月6日日曜日

心不全: 心不全および心筋症: メルクマニュアル18版 日本語版


(小児の心不全については,先天性心血管異常: 心不全を参照 。)

心不全は心室機能不全症候群である。左室不全では息切れおよび疲労が生じ,右室不全では末梢および腹部の体液貯留が生じる;通常,両心室がある程度関連する。診断は臨床的に行われ,胸部X線および心エコー検査により裏づけられる。治療には,利尿薬,ACE阻害薬,β遮断薬,および基礎疾患の修正がある。

米国では約500万人が心不全(HF)に罹患しており,毎年50万人を超える新規症例が認められる。

生理

心収縮性(収縮力および収縮速度),心室機能,および心筋O2要求量は,前負荷,後負荷,基質の供給量(例,O2 ,脂肪酸,ブドウ糖),心拍数および調律,ならびに生存心筋量によって決まる。心拍出量(CO)は1回拍出量と心拍数の積に等しい;COはまた,静脈還流量,末梢血管緊張度,および神経液性因子の影響を受ける。

前負荷は,収縮期直前である弛緩相(拡張期)終期に,心臓にかかる負荷条件である。前負荷は拡張終期心筋線維伸展の程度および拡張終期容量を表し,これは心室拡張期圧および心筋壁組成の影響を受ける。典型的には,左室(LV)拡張終期圧は,特に正常値を超えていれば,前負荷の妥当な指標である。左室拡張,肥大,および心筋伸展性の変化(コンプライアンス)は前負荷に影響する。

後負荷は収縮期開始時に心筋線維収縮に抵抗する力である;これは大動脈弁開口時の室圧,容量,および壁厚により決まる。臨床的には,大動脈弁開口時または直後の全身血圧は最大収縮期壁応力を表し,後負荷にほぼ等しい。

フランク-スターリングの法則は前負荷と心機能との関係を表す。正常では収縮期収縮機能(1回拍出量またはCOによって表される)は標準的な生理範囲内の前負荷に比例することを,この法則は説明している(心不全および心筋症: フランク-スターリングの法則。図 1: を参照) 収縮性は,心臓カテーテル法を用いなければ測定困難であるが駆出率(EF)にある程度反映され,これは収縮毎に駆出される拡張終期容量のパーセンテージ(左室1回拍出量/拡張終期容量)である。

心予備能とは,情動ストレスや身体的ストレスに反応して安静時の水準を超えて心機能を上昇させる能力である;最大労作中に,身体のO2消費量は250mL/分から1500mL/分以上に増加しうる。その機序には,心拍数,収縮期容量,拡張期容量,1回拍出量,および組織O2抽出量(動脈血と混合静脈血または肺動脈血とのO2含量較差)の増加がある。 十分に鍛えられた若年成人では,心拍数は安静時の55〜70/分から最大運動時には180拍/分まで増加し,COは6L/分から25L/分以上に増加する。安静時には,動脈血は約18mL/dLのO2を含み,混合静脈血または肺動脈血は約14mL/dLのO2を含む。したがって,O2抽出量は約4.0mL/dLであるが,需要が増加すると抽出量は12〜14mL/dLまで増加しうる。これらの機序は心不全の代償にも役立つ。

病態生理

心不全では,心臓が代謝要求に適う量の血液を組織に供給できないことがあり,心臓との関連で上昇した肺または全身の静脈圧が臓器うっ血をもたらすことがある。この状態は,収縮機能,拡張機能,または一般的には両機能の異常に起因しうる。

収縮機能不全では,心室収縮不良や心室駆出不十分がまず拡張期容量および拡張期圧の上昇をもたらす。その後,EFが低下する。エネルギー利用,エネルギー供給,電気生理学的機能,および収縮要素の相互作用に様々な欠陥が生じるが,これは細胞内Ca調節やサイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)産生の異常に伴うものである。心筋梗塞による心不全では,顕著な収縮機能不全が一般的にみられる。収縮機能不全は主に左室または右室(RV)に生じる;左室不全はしばしば右室不全につながる。

拡張機能不全では心室の充満が障害され,心室拡張終期容量の減少,拡張終期圧の増加,または両方が生じる。収縮性,ひいてはEFは正常に保たれる;充満不良の左室において,駆出が完全に近く,COが維持されれば,EFは増加することもある。左室充満の著しい低下は低COおよび全身症状をもたらす。左房圧の上昇は肺うっ血を惹起しうる。拡張機能不全は通常,心室弛緩の障害(能動的な過程),心室スティッフネスの増加,収縮性心膜炎,または房室弁狭窄から生じる。充満抵抗は加齢とともに上昇するが,これは恐らく心筋細胞の喪失および間質性コラーゲン沈着の増加を反映している;したがって,拡張機能不全は特に高齢者で一般的にみられる。肥大型心筋症,心室肥大を伴う障害(例,高血圧,重度の大動脈弁狭窄),お� ��びアミロイドの心筋浸潤では,拡張機能不全が優勢であると考えられる。もし右室圧が著明に上昇して心室中隔が左側へ移動すれば,左室の充満および機能も障害されうる。

左室不全 ではCOは減少し,肺静脈圧は上昇する。肺毛細血管圧が血漿蛋白コロイド浸透圧(約24mmHg)を超えると,体液が毛細血管から間質および肺胞へと漏出し,肺コンプライアンスが減少し,呼吸仕事量が増加する。リンパドレナージは増加するが,胸水の増加は代償されない。肺胞への著明な液貯留(肺水腫)により,換気-血流比(肺胞換気量[V]/肺血流量[Q])が著しく変化する:非酸素化肺動脈血は換気の低下した肺胞を通過し,全身動脈血の酸素化(PaO2)が低下して呼吸困難が生じる。 しかしながら,呼吸困難はV/Q異常に先立って起こることがあり,恐らくは肺静脈圧の上昇および呼吸仕事量の増加が原因であるが,その正確な機序は不明である。重度または慢性の左室不全では,胸水はまず右胸郭内に,その後両側に貯留することを特徴とし,呼吸困難をさらに悪化させる。分時換気量は増加する;そのため,PaCO2が低下し,血液pHが上昇する(呼吸性アルカローシス)。細気管支の著明な間質性浮腫は換気を妨げ,PaCO2を上昇させることがある(呼吸不全切迫の徴候)。

右室不全 では全身静脈圧が上昇し,主に荷重のかかる組織(歩行可能な患者の足や足首)や腹腔内臓器に体液が滲出して浮腫が起こる。肝臓が最も影響を受けるが,胃や腸もうっ血する;腹膜腔の液貯留(腹水)が起こることがある。右室不全は一般に,中等度の肝機能不全を引き起こし,通常,抱合型および非抱合型ビリルビンの軽度上昇,プロトロンビン時間(PT)の軽度延長,および肝酵素(例,アルカリホスファターゼ,AST,ALT)の軽度上昇を伴う。肝障害によりアルドステロン分解能が低下し,体液貯留をさらに亢進させる。臓器における慢性静脈うっ血は,食欲不振,吸収不良および蛋白漏出性腸症(下痢および著明な低アルブミン血症を特徴とする),消化管の慢性失血,そしてまれに腸管の虚血性梗塞を引き起こす可能性がある。

心臓の反応: 心室機能が障害されると,COを維持するためにより大きな前負荷が必要となる。結果として,左室は徐々にリモデリングされる:左室は卵形から球形となり,拡張し,肥大する。初期には代償性であるが,これらの変化は最終的に拡張期スティッフネスおよび壁張力を増強させ,これにより特に身体的ストレスがかかったときに心機能が低下する。壁応力の上昇により,O2要求量が増大し,心筋細胞のアポトーシス(プログラム細胞死)が加速する。

血行動態の反応: COが低下した状況では,組織へのO2運搬は,O2抽出量を増加させることや,ときに酸化ヘモグロビン解離曲線を右側へ移行させてO2放出を促進することにより維持される(肺機能検査: 酸化ヘモグロビン解離曲線。を参照 図 4: )。

全身血圧の低下を伴うCOの減少は動脈の圧反射を活性化させ,これにより交感神経系の緊張が亢進し副交感神経系の興奮が抑制される。結果として,心拍数および心筋収縮力は増加し,特定の血管床の細動脈は収縮して,静脈収縮が起こり,Naおよび水分が保持される;心不全の初期には,このような変化が心室機能低下を代償し,血行動態の恒常性を維持するのに役立つ。しかしながら,これらの代償性変化は,心仕事量,前負荷,および後負荷の増大,冠灌流および腎灌流の減少,体液貯留によるうっ血,K排泄亢進,心筋壊死,ならびに不整脈をもたらす。

腎臓の反応: 心機能が悪化すると,腎血流および糸球体濾過率(GFR)は低下し,腎臓内の血流は再分布される。濾過率およびNa濾過は低下するが,尿細管再吸収が増大してNaおよび水分は保持される。血流は労作時にさらに再分布されて腎臓に送られなくなるが,安静時には改善して恐らくは夜間頻尿の原因となる。

腎灌流の減少(および恐らく心室機能低下に続く収縮期の動脈伸展の減弱も)はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系を活性化させ(動脈高血圧: レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系も参照 ),Naおよび水分の保持が増加し,腎臓や末梢の血管緊張が亢進する。これらの作用は心不全に伴う強度の交感神経賦活により増強される。

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン-バソプレシン(抗利尿ホルモン[ADH])系は,悪影響を及ぼしうる一連の反応をもたらす。アンジオテンシンⅡは,腎輸出血管を含む血管の収縮を引き起こしアルドステロン産生を増強することで心不全を悪化させ,これは遠位ネフロンにおけるNa再吸収を亢進させるだけでなく心筋および血管のコラーゲン沈着および線維化も惹起する。アンジオテンシンⅡはノルエピネフリン放出を促進し,ADH放出を刺激して,アポトーシスを誘発する。アンジオテンシンⅡは血管および心筋の肥大に関与することがあり,そのため心臓および末梢血管構造のリモデリングが生じ,場合によっては心不全が悪化する。アルドステロンは,心臓および血管構造においてアンジオテンシンⅡに非依存的に合成され(� �らく,コルチコトルピン,一酸化窒素,フリーラジカル,および他の刺激が介在する),これらの臓器に悪影響を及ぼすことがある。

神経体液性反応: ストレス条件下では,神経体液性反応は心機能の向上および血圧や臓器灌流の維持に役立つが,これらの反応の慢性的な活性化は,心筋刺激ホルモンと血管収縮ホルモン,および心筋弛緩ホルモンと血管拡張ホルモンとの正常なバランスに悪影響を及ぼす。

2012年5月4日金曜日

摂食障害|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省


摂食障害とは

疾患概念

単なる食欲や食行動の異常ではなく、1)体重に対する過度のこだわりがあること、 2)自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する、といった心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です。摂食障害は大きく分けて、神経性食欲不振症(AN;神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)と神経性過食症(BN;神経性大食症)に分類されます。ANには不食を徹底する「制限型」、あるいはむちゃ食いをともなってもそれに対する排出行為で代償しながら低体重を維持している「むちゃ食い/排出型」があります。一方、BNにはむちゃ食いを繰り返しながらも体重増加を防ぐために種々の不適切な代償行為をともなっていますが、ANと違ってやせに至らないことが特徴です。そのどちらにも明確に分類されない摂食障害(例:むちゃ食い障害)は、特定不能の摂食障害(EDNOS)と呼ばれています。世界保健機関(World Health Organization:WHO)が策定するICD-10診断基準では、摂食障害は「生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群」のひとつに分類されており、身体的要因と精神的要因が相互に密接に関連して形成された食行動の異常と考えられます。

歴史

歴史的にみると、ANについて初めて医学的記載がなされたのは、1600年代後半です。神経性消耗"a Nervous Consumption"としての記述が見られますが、病名にANという名称が初めて用いられたのは、1873年にパリ・ピティエ病院のLasegue 医師とロンドン・ガイ病院医師のGull卿によってです。それまで古代~中世の西欧においては、キリスト教文化圏の中で食事の制限(断食)は自己犠牲や身体的欲求の抑制といった「禁欲主義的理想」として捉えられていました。文献によると聖人(シスター)の中に禁欲生活を送り、厳格な食事制限から命を落としたケースの記述も認められますので、これらのケースは身体像に密接に関係した[自己の理想像の追求]という点ではANの概念に一致するといえるでしょう。又時にほかのシスターによって目撃された"むちゃ食い"は、当時は「悪魔の仕業」としてとらえられていました。従って、過食症状の記述は散見されるものの明確な疾病概念としてはとらえられていませんでした。
1970年代に入り、英国のRussellはANの種々の類型を報告した中で、本症の中心的精神病理の変化を反映した一群の症例を報告しました。それは、1)繰り返される過食、2)嘔吐もしくは下剤の乱用、3)肥満に対する病的恐怖の三つによって特徴付けられるANの予後不良型に位置づけられるものです。これにより、それまで曖昧であったBNの明確な疾患概念へと発展し、アメリカ精神医学会の診断マニュアルであるDSMに取り入れられました。
ここで問題となるのは、このように西欧を中心に展開されてきた摂食障害に対する概念が、わが国の患者像にそのまま当てはまるかということです。わが国ならびに香港における質問紙調査によると、制限型のAN患者においては"やせ願望"や"体重や体形への不満"は健常人と程度に差がなく、西欧とは異なっています。果たして、DSMを中心とする操作的診断基準によって「摂食障害」とされている疾患概念は、単一の疾患単位として当てはめることができるのか。これは今後の課題です。


患者数

1998年に全国の医療施設(23,401施設)を対象に実施した疫学調査(図1)によると、患者推定数(罹患率)はANが12,500(人口10万対10.0)、BNが6,500(人口10万対5.2)、EDNOSが4,200(人口10万対3.3)でした。

【図1.摂食障害患者数の変化】

これを1980年以降の結果と比較すると、以下の状況が認められます。

  • 摂食障害全体は1980年からの20年間に約10倍の増加がみられ、とくに1990年代後半の5年間だけで、ANは4倍、BNは4.7倍と急増している。医療機関をすすんで訪れるのは一部であるため、実際はもっと多いと推定される。
  • 同時に行った病型についての調査では、ANが47.0%、BNが39.7%、EDNOSが12.3%であり、それ以前に比べて過食型の摂食障害の増加が特徴的である。
  • 年齢層でみると、ANは10代、BNは20代が多く、推定発症年齢をみると10代の占める割合が年々増加し、若年発症の傾向を示している。すでに10歳から発症する例もまれではなくなった。
  • 男女比は1対20であった。一般に90%以上が女性と報告されている。

一方、欧米の最近の報告では、ANの有病率(一生にかかる率)は女性0.9~2.2%、男性0.2~0.3%です。診断基準を広く適応させた例も含めると、この2倍にまで増えるであろうと推定されています。ただし、欧米の報告ではわが国より早く1980年代から増加し、1990年代にピークに達しているようです。従って、わが国では1980年代に欧米に比して約半分の発症頻度であったのが、20年間で倍近くに増加し、欧米と肩を並べるかやや多くなっているとも考えらます。
BNの有病率に関しては、欧米の報告によると女性1.5~2%、男性0.5%であり、10代女性の有病率は0.3%と少なく、20代から増加します。これはANの動態と異なります。発症頻度に関する地域差をオランダで調べた報告によると、田舎に比して都会では2.5倍、大都市は5倍高いという結果でした。また、時代的変遷を調査した報告では、英国および米国は共に1980年代から2000年にかけて発症頻度は4.2%から1.5%前後に減少しているとされ、発症のピークは1990年代前半であり、その後は減少傾向にあると推定されています。
EDNOSについては、ポルトガルで行った12~23歳女性の有病率調査では2.4%と報告され、摂食障害全例の77%を占めています。13~15歳の思春期女子では4.9%、男子では0.6%でした。EDNOSの中でも、むちゃ食い障害の生涯有病率は米国の調査によると成人女性が3.5%、成人男性が2.0%でした。
以上、わが国における摂食障害の発症頻度は1990年代後半から急激に増加し、欧米並みになってきた印象ですが、ここ10年間のきちんとした全国的な疫学調査がなされていないため、正確な実態のための調査が待たれます。


原因・発症の要因

摂食障害の発症には、社会・文化的要因、心理的要因、また生物学的要因が複雑に関与しており、以下に説明するように、遺伝子-環境因子の相互作用による多因子疾患と考えられています(表1)。

【表1】

社会・文化的要因

前記したように、摂食障害の心理的特徴の中核として、体重や体形へのこだわりや体形への不満があることを述べました。その点、近年のわが国における患者数増加の背景には「やせを礼賛し、肥満を蔑視する」西欧化した現代社会の影響がうかがわれます。つまり、スリムをもてはやす社会、文化の影響です。
わが国では、20代女性の平均体重は毎年低くなり、標準体重の-10%の一歩手前まできています。マスコミや雑誌などでは、スリムになるための広告を毎日のように目にします。個々人の病因は異なっていても、全体として考えると、昨今の摂食障害の増加には、こうした社会的影響も否定できません。

2012年5月3日木曜日

日本小児心身医学会


東日本大震災から1年。当学会の学術集会は今回で30回目。会員数も1000人を突破。そんな中で、縁あって今回の学術集会をお世話させていただくことになりました。私ができることは、今生で感じていることを、会員の皆さんに伝えられるようなプログラムを組み、参加しやすい場を提供すること。そして参加者の皆さんそれぞれが演題や会場での議論・交流を通して情報を発信し、何かをつかんでいただけることを期待しております。

第30回日本小児心身医学会学術集会
会長 井口敏之
星ヶ丘マタニティ病院副院長、小児科部長

テーマ 「子どもの心身症は予防できるか~周産期からの支援を通して~」
日 時 2012年9月7日(金)~9日(日)
場 所 名古屋国際会議場白鳥ホール
〒456-0036 名古屋市熱田区熱田西町1番1号
会 長 井口 敏之(星ヶ丘マタニティ病院小児科)
内 容
  • メインテーマシンポジウム:「子どもの心身症は予防できるか~周産期からの支援を通して~」(座長:宮本信也、井口敏之)(9月8日(土)午後予定)

    宮本信也先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    吉田敬子先生(九州大学病院子どものこころの診療部)
    小川園子先生(筑波大学大学院人間総合科学研究科感性認知脳科学専攻)
    藤田一郎先生(佐賀大学文化教育学部) 

    *宮本先生からは子どもの心と脳の発達をおさえたうえでの心身症の成り立ちの基本を学びます。吉田先生からは、産後うつ病を中心とし、周産期から親子に関わることでどんな支援ができるか、どんな変化が起こるのかがお聞きできると思います。小川先生からは動物実験から性ホルモンと養育行動・子どもの行動変容と具体的なお話が聞け、とても楽しみです。藤田先生からは親子の関係性障害による心身症の予防と早期対応としての実践的な子育てプログラム、トリプルPについてのお話が伺えます。

  • 30回記念特別講演:(9月7日(金)予定)

    杉山登志郎先生(浜松医科大学児童青年期精神医学講座)

    *いつも先駆けとなって児童精神の研究をして見える杉山先生には今までの30年を振り返り、これから10年のポイントをお話しいただきたいと思います。